古事記現代語訳(6)根之堅洲国~沼河比売

根之堅洲国
大国主命は、母の助言に従って、須佐之男命のお住まいになる地下にある根之堅洲国(ねのかたすくに)へ向かわれました。

根之堅洲国は、「木の国(紀伊国)」にある木の根と繋がっているとされています。
そこへ出迎えにきたのが、須佐之男命の娘の須勢理比売(すせりひめ)でした。

彼女は大国主命をご覧になると、「お父さま、立派な神さまがいらっしゃいましたよ!」と父に告げました。

須佐之男命は「こいつは葦原色許男命(あしはらしこをのみこと)だな」と言って迎え入れました。
しかし、須佐之男命は、娘が大国主命のことを大層慕っていることが気に入らなかったのか、試練を与えて困らせてやろうと考えました。

その晩、大国主命を室(むろ)の中で休ませました。その中には大小の蛇がうようよと集まっていました。

古代の建築にはムロ型とス型がありました。ムロ型は穴を掘って屋根を被せた形のもので、湿気の多い土地では虫が出ることがよくありました。ス型は、建物に足をつけて高く作るタイプです。ムロ型は次第に作られなくなっていきました。

ところが須勢理比売は、自分の領巾(ひれ)をこっそり大国主命に渡し、「もし蛇が襲ってきたら、この領巾を三度振って追い払ってください」と伝えました。

大国主命は言われたとおりにすると、蛇はひとりでにいなくなり、安らかに夜を過ごすことができました。

次の晩は、ムカデと蜂の室に入れられましたが、姫がまた領巾を渡して、同じように助けてくれました。

大国主命はぐっすり眠ることができ、無事に朝を迎えました。

次に、須佐之男命は、射ると鳴り響く鏑矢を、草がぼうぼうに伸びた広い野原に射て、「あの矢を拾って来い」と命じました。

大国主命が草を分けて進んでいくと、須佐之男命は突然、野に火を放ち、炎が大国主命を囲みました。

逃げ場を失った大国主命が困っていると、一匹の鼠が現れ、「内はほらほら、外はすぶすぶ」と告げました。

そこで地面を踏んで割ってみると、穴が開いたので、大国主命はその中に身を隠しました。
火が燃え過ぎるのを待つ間に、鼠が鏑矢をくわえて持ってきてくれました。
羽根の部分は子鼠に食べられてなくなっていましたが、矢自体は確かに残っていました。
可愛そうな須勢理比売は、てっきり大国主命は焼け死んだと思い、葬具を持って泣きながら野にやってきました。

須佐之男命も今度こそ死んだのではないかと見にきました。
ところが大国主命は、矢を手にして現れ、二人を驚かせました。

しかし 須佐之男命は これでもまだ諦めません。
さらに須佐之男命は、大国主命を柱がいつくつかある広間に呼び入れ、横になりながら「俺の頭のしらみを取れ」と命じました。

髪を分けてみると、中には無数のムカデがいました。

困り果てた大国主命に、須勢理比売が、椋の実と赤土を渡しました。
大国主命は椋の実を噛み砕き、赤土を混ぜて吐き出し、さも自分がムカデを噛み砕いたかのように見せました。

須佐之男命は「これは感心だ」と言い、そのまま眠り込みました。

大国主命は、このままぐずぐずしていると命が危ないと考え、熟睡している須佐之男命の長い髪を四方の垂木に結びつけ、戸口を五百引(いほびき)の石という巨大な大岩で塞ぎました。

そして須佐之男命の生大刀(いくたち)・生弓矢(いくゆみや)・天の沼琴(あめのぬごと)を奪い、須勢理比売を背負って逃げ出しました。

ところが琴が木に触れて大きな音を立て、須佐之男命が目を覚ましました。立ち上がろうとすると、髪が垂木に結ばれていたため、広間ごと倒れてしまいました。

その間に大国主命と須勢理比売はできるだけ遠くへ逃げのびました。

須佐之男命は興奮しながら、黄泉比良坂まで追ってきて大声で叫びました。

「おい!小僧!その太刀と弓矢を使い、八十神どもを山の坂や川の瀬に追い伏せ、討ち払え。そして国を治める神、大国主、宇都志国玉神(ウツシクニタマノカミ)となり、俺の娘の須勢理比売を正妻として、宇迦能山の麓に大空高くそびえ立つ宮殿を建てよ!」
大国主命はその言葉に従い、須佐之男命の武具で八十神を討ち払い、国を治め始めました。

須勢理比売は正妻となり、二人は宇迦能山の麓に宮を構えてともに暮らしました。

その後、八上比売が子どもを連れて訪ねてきましたが、正妻の須勢理比売を恐れ、その子を木の股に挟んで去りました。

この子は木俣神と呼ばれています。
これから大国主命は、四方を平定しながら、ますます国を広げていかれたのです。
沼河比売
大国主命、八千矛神(やちほこのかみ)が、沼河比売(ぬなかわひめ)と結婚しようと越の国、現在の新潟あたりまで行きました。
その時に詠まれた歌は、

遠い越の国に、賢くて美しい娘がいると聞いた。私は方々で妻を探し求めてきたが、やっと見つけたぞ。
刀の緒も解かず、羽織も脱がずに、こうしてあなたの家の戸の前に立っている。
娘さんの眠っておられる板戸を、押したり引いたりして立っていると、
青い山ではトラツグミや雉たちが鳴いている。庭先では鶏も鳴いている。腹立たしいほどに騒がしい。いっそやっつけてしまいたいくらいだ。
眠っている娘よ、どうか出てきてはくれないか。
といった内容でした。
沼河比売は、戸を開けず家の中から、

八千矛神さま、私はしおれた草のような女ですが、心は水鳥のように漂っています。
今は拒んでいても、やがてあなたのものになるでしょう。どうかその時まで長生きしてください。

と歌いました。さらに、

青い山に日が隠れたら、暗い夜になるでしょう。あなたはその時、明るい朝のような笑顔で訪ねてきてください。
玉のような手をまわして、一緒に過ごしましょう。
あなたは 足を伸ばしてゆっくりお休みください。
だから、八千矛神さま、そんなにがっかりなさらないでください。
そして、
次の日の夜に、二人はついに結ばれました。
ある日、大国主命は正妻の須勢理比売の嫉妬を疎ましく思い、出雲を出て大和へ向かおうとされました。
そこで、片手を馬の鞍にかけ、片足を鐙に入れながら、歌いました。

漆黒の黒い衣も カワセミ色の青い衣も おまえには似合わない。波がうち寄せる そこに脱ぎ捨てて。
だけど、山畑に撒いた茜草で染めた衣なら、おまえにぴったりだ。
愛しい妻よ、
大空を飛ぶ鳥のように 私が自由気ままに振舞えば、お前は泣かないと言っても、
山肌に立つ 一本の薄のようにうなだれ 涙を流すだろう。
そして朝の雨の霧の中に立つだろう。ああ、若草のような私の妻よ。

その歌に応えて、須勢理比売が杯を捧げました。
八千矛神さま、私の夫、大国主さま。あなたは男ですから、岬ごとに若草のような妻を持たれているのでしょう。けれど私は女。あなた以外に男性はなく、夫もいません。
ふわりと垂れた織物のその下で、暖かい布団の柔らかいその下で、白い布団のさやさやと鳴るその下で、
玉のような白い腕であなたを抱き、淡雪のような胸であなたを受け止めましょう。
さぁ、足をのばしてお休みください。美味しいお酒を召し上がり、一緒に眠りましょう。
こうして二人は再び杯を交わし、今日まで夫婦として鎮まっていると伝えられています。
これらの歌は、神語(かむがたり)という歌曲です。
古事記・読み下し文・注釈(武田祐吉・青空文庫より)
根の堅州国
かれ詔命のまにまにして須佐の男の命の御所に參ゐ到りしかば、その女須勢理毘賣出で見て、目合して婚ひまして、還り入りてその父に白して言さく、「いと麗しき神來ましつ」とまをしき。ここにその大神出で見て、「こは葦原色許男の命といふぞ」とのりたまひて、すなはち喚び入れて、その蛇の室に寢しめたまひき。ここにその妻須勢理毘賣の命、蛇のひれをその夫に授けて、「その蛇咋はむとせば、このひれを三たび擧りて打ち撥ひたまへ」とまをしたまひき。かれ教のごとせしかば、蛇おのづから靜まりぬ。かれ平く寢て出でましき。また來る日の夜は、呉公と蜂との室に入れたまひしを、また呉公蜂のひれを授けて、先のごと教へしかば、平く出でたまひき。また鳴鏑を大野の中に射入れて、その矢を採らしめたまひき。かれその野に入りましし時に、すなはち火もちてその野を燒き廻らしつ。ここに出づる所を知らざる間に、鼠來ていはく、「内はほらほら、外はすぶすぶ」と、かく言ひければ、其處を踏みしかば、落ち隱り入りし間に、火は燒け過ぎき。ここにその鼠、その鳴鏑を咋ひて出で來て奉りき。その矢の羽は、その鼠の子どもみな喫ひたりき。
- 目合して(互に見合うこと)
- 室(古代建築にはムロ型とス型とある。ムロは穴を掘って屋根をかぶせた形のもので湿気の多い地では虫がつくことが多い。スは足をつけて高く作る。どちらも原住地での習俗を移したものだろうが、ムロ型は亡びた)
- 蛇のひれ(蛇を支配する力のあるヒレ。ヒレは、白い織物で女子が首にかける。これを振ることによって威力が発生する。次のヒレも同じ。)
- 鳴鏑(射ると鳴り響くように作った矢)
- 内はほらほら、外はすぶすぶ(入口は狭いが内部は広い。古墳の跡だろうという)
ここにその妻須世理毘賣は、喪つ具を持ちて哭きつつ來まし、その父の大神は、すでに死せぬと思ほして、その野に出でたたしき。ここにその矢を持ちて奉りし時に、家に率て入りて、八田間の大室に喚び入れて、その頭の虱を取らしめたまひき。かれその頭を見れば、呉公多にあり。ここにその妻、椋の木の實と赤土とを取りて、その夫に授けつ。かれその木の實を咋ひ破り、赤土を含みて唾き出だしたまへば、その大神、呉公を咋ひ破りて唾き出だすとおもほして、心に愛しとおもほして寢したまひき。ここにその神の髮を握りて、その室の椽ごとに結ひ著けて、五百引の石を、その室の戸に取り塞へて、その妻須世理毘賣を負ひて、すなはちその大神の生大刀と生弓矢またその天の沼琴を取り持ちて、逃げ出でます時に、その天の沼琴樹に拂れて地動鳴みき。かれその寢したまへりし大神、聞き驚かして、その室を引き仆したまひき。然れども椽に結へる髮を解かす間に遠く逃げたまひき。かれここに黄泉比良坂に追ひ至りまして、遙に望けて、大穴牟遲の神を呼ばひてのりたまはく、「その汝が持てる生大刀生弓矢もちて汝が庶兄弟をば、坂の御尾に追ひ伏せ、また河の瀬に追ひ撥ひて、おれ大國主の神となり、また宇都志國玉の神となりて、その我が女須世理毘賣を嫡妻として、宇迦の山の山本に、底津石根に宮柱太しり、高天の原に氷椽高しりて居れ。この奴」とのりたまひき。かれその大刀弓を持ちて、その八十神を追ひ避くる時に、坂の御尾ごとに追ひ伏せ、河の瀬ごとに追ひ撥ひて國作り始めたまひき。
- 喪つ具(葬式の道具)
- 八田間の大室(柱間の数の多い大きな室)
- 五百引の石(五百人で引くほどの巨石)
- 生大刀と生弓矢(生命が感じられる大刀弓矢)
- 天の沼琴(美しい立派な琴)
- おれ(親愛の第二人称)
- 宇都志國玉の神(現実にある国土の神霊)
- 宇迦の山(島根県出雲市出雲大社の東北の御埼山)
- 底津石根に宮柱太しり、高天の原に氷椽高しりて(壮大な宮殿建築をする意の常用句。地底の石に柱をしっかと建て、空中に高く千木をあげて作る。ヒギ、チギともいう。屋上に交叉して突出している材。今では神社建築に見られる)
- 國作り始めたまひき(国土経営をはじめた)
かれその八上比賣は先の期のごとみとあたはしつ。かれその八上比賣は、率て來ましつれども、その嫡妻須世理毘賣を畏みて、その生める子をば、木の俣に刺し挾みて返りましき。かれその子に名づけて木の俣の神といふ、またの名は御井の神といふ。
- みとあたはしつ(婚姻した)
八千矛の神の歌物語
この八千矛の神、高志の國の沼河比賣を婚はむとして幸でます時に、その沼河比賣の家に到りて歌よみしたまひしく、
- 八千矛の神(多くの武器のある神の義。大国主の神の別名。)
- 高志の國の沼河比賣(北越の沼河の地の姫。ヌナカハは今の糸魚川町附近だという)
- 家に到りて(男子が夜間女子の家を訪れるのが古代の婚姻の風習である)
八島國 妻求ぎかねて、
遠遠し 高志の國に
賢し女を ありと聞かして、
麗し女を ありと聞こして、
さ婚ひに あり立たし
婚ひに あり通はせ、
大刀が緒も いまだ解かずて、
襲をも いまだ解かね、
孃子の 寢すや板戸を
押そぶらひ 吾が立たせれば、
引こづらひ 吾が立たせれば、
青山に鵼は鳴きぬ。
さ野つ鳥 雉子は響む。
庭つ鳥 鷄は鳴く。
うれたくも 鳴くなる鳥か。
この鳥も うち止めこせね。
いしたふや 天馳使、
- さ婚ひに あり立たし(ヨバヒは、呼ぶ義で婚姻を申し入れる意。サは接頭語。アリタタシは、お立ちになって。動詞の上につけるアリは在りつつの意。タタシは立つの敬語)
- 襲をも いまだ解かね(オスヒをもまだ解かないのに。オスヒは通例の服裝の上に着る衣服。礼装、旅装などに使用する。トカネは解かないのにの意)
- 寢すや(ナスは寝るの敬語。ヤは感動の助詞で調子をつけるために使う)
- 押そぶらひ(押しゆすぶって)
- 鵼(現在は、トラツグミという鳥。夜間に飛んで鳴く)
- うれたくも(歎かわしいことに)
- いしたふや(イ下フで、下方にいる意だろう。イは接頭語。ヤは感動の助詞)
- 天馳使(走り使いをする部族。アマは神聖なの意につける。この種の歌を語り伝える部族)
- こをば(この事をば。この通りです)
ぬえくさの 女にしあれば、
吾が心 浦渚の鳥ぞ。
今こそは 吾鳥にあらめ。
後は 汝鳥にあらむを、
命は な死せたまひそ。
いしたふや 天馳使、
事の 語りごとも こをば。 (歌謠番號三)
ぬばたまの 夜は出でなむ。
朝日の 咲み榮え來て、
㭳綱の 白き腕
沫雪の わかやる胸を
そ叩き 叩きまながり
眞玉手 玉手差し纏き
股長に 寢は宿さむを。
あやに な戀ひきこし。
八千矛の 神の命。
かれその夜は合はさずて、明日の夜御合したまひき。
またその神の嫡后須勢理毘賣の命、いたく嫉妬みしたまひき。かれその日子ぢの神侘びて、出雲より倭の國に上りまさむとして、裝束し立たす時に、片御手は御馬の鞍に繋け、片御足はその御鐙に蹈み入れて、歌よみしたまひしく、
- ぬえくさの(比喩による枕詞。なえた草のような)
- 浦渚の鳥ぞ(水鳥です。おちつかない比喩)
- な死せたまひそ(おなくなりなさるな)
- ぬばたまの(比喩による枕詞。カラスオウギの実は黒いから夜に冠する)
- 㭳綱の(同前。楮で作った綱は白い)
- 沫雪の(同前。アワのような大きな雪)
- あやに な戀ひきこし(たいへんに恋をなさいますな)
- 嫉妬み(第二の妻に対する憎しみ)
- 日子ぢの神(夫の神)
まつぶさに 取り裝ひ
奧つ鳥 胸見る時、
羽たたぎも これは宜はず、
邊つ浪 そに脱き棄て、
鴗鳥の 青き御衣を
まつぶさに 取り裝ひ
奧つ鳥 胸見る時、
羽たたぎも こも宜はず、
邊つ浪 そに脱き棄て、
山縣に 蒔きし あたねつき
染木が汁に 染衣を
まつぶさに 取り裝ひ
奧つ鳥 胸見る時、
羽たたぎも 此しよろし。
いとこやの 妹の命、
群鳥の 吾が群れ往なば、
引け鳥の 吾が引け往なば、
泣かじとは 汝は言ふとも、
山跡の 一本すすき
項傾し 汝が泣かさまく
朝雨の さ霧に立たむぞ。
若草の 嬬の命。
- 取り装ひ(十分に着用して)
- 奧つ鳥(比喩による枕詞。水鳥のように胸をつき出して見る)
- 羽たたぎ(奧つ鳥と言ったので、その縁でいう。身のこなし)
- 鴗鳥(比喩による枕詞。カワセミ。青い鳥)
- 山縣(山の料地)
- あたねつき(アタネは、アカネに同じというが不明。アカネはアカネ科の蔓草。根をついてアカネ色の染料をとる)
- いとこやの(イトコは親愛なる人。ヤは接尾語)
- 妹の命(女子の敬称)
- 群鳥の(比喩による枕詞)
- 引け鳥(同前。空とおく引き去る鳥)
- 項傾し(首をかしげて。うなだれて)
- 汝が泣かさまく(お泣きになることは。マクは、ムコトに相当する)
- さ(真福寺本は、サに當る字が無い)
- 若草の(比喩による枕詞)
吾が大國主。
汝こそは 男にいませば、
うち廻る 島の埼埼
かき廻る 磯の埼おちず、
若草の 嬬持たせらめ。
吾はもよ 女にしあれば、
汝を除て 男は無し。
汝を除て 夫は無し。
文垣の ふはやが下に、
蒸被 柔が下に、
㭳被 さやぐが下に、
沫雪の わかやる胸を
㭳綱の 白き臂
そ叩き 叩きまながり
ま玉手 玉手差し纏き
股長に 寢をしなせ。
豐御酒 たてまつらせ。 (歌謠番號六)
- うち廻【み】る(このミルは、原文「微流」。微は、古代のミの音声二種のうちの乙類に属し、甲類の見るのミの音声と違う。それで廻る意であり、ここは廻っているの意)
- 島(シマは水面に臨んだ土地。はなれ島には限らない)
- 磯の埼おちず(磯の突端のどこでも)
- 嬬持たせらめ(お持ちになっているでしよう。モタセ、持ツの敬語の命令形。ラ、助動詞の未然形。メ、助動詞ムの已然形で、上の係助詞コソを受けて結ぶ)
- 汝を除て(汝をおいては)
- 文垣の ふはやが下に(織物のトバリのふわふわした下で)
- 蒸被 柔が下に(あたたかい寝具のやわらかい下で)
- 㭳被 さやぐが下に(楮の衾【ふすま/布団】のざわざわする下で)
- そ叩き 叩きまながり(叩いて抱きあい)
- たてまつらせ(めしあがれ。奉るの敬語の命令形)
- 盞結ひして(酒盃をとりかわして約束して)
- 項懸けりて(首に手をかけて)
- 神語(以上の歌の名称で、以下この種の名称が多く出る。これは歌曲として伝えられたのでその歌曲としての名である。この八千矛の神の贈答の歌曲は舞を伴なっていたらしい)













