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古事記現代語訳

古事記現代語訳(10)兄の八十神たちの復讐

八十神(やそがみ)たちは、大国主命が八上比売を得たことを知ると、激しく怒り、命を殺してしまおうと企みました。

彼らは大国主命を伯耆(ほうき)の国の手間山の麓へ連れて行き、こう言いました。

「この山には赤い猪がいる。私たちが山の上から追い下ろすから、お前は下で捕まえろ。もし失敗したら、お前を殺すぞ。」

八十神たちは山の上で大きな石を猪に見立て、火で真っ赤に焼いて転がし落としました。

命はそれを本物の猪と思い、捕まえようとして焼け石に抱きつき、全身が焼けただれて絶命してしまいました。

母の刺国若比売(さしくにわかひめ)は深く嘆き、天に昇って神産巣日命(かみむすびのみこと)に救いを願いました。

すると命は貝比売(きさがいひめ/赤貝姫)と蛤貝比売(うむぎひめ/蛤姫)を遣わしました。

貝比売は貝殻を削り、粉を乳のような汁にして搾り出し、蛤貝比売がそれを受けて大国主命の身体に塗ると、傷は癒え、命は再び若々しい姿で蘇りました。

しかし八十神たちは諦めず、再び命をだまして山に連れ込みました。

彼らは大木を切り倒して割れ目に楔を打ち込み、その中に命を閉じ込め、楔を抜いて挟み殺してしまいました。

母の刺国若比売は泣きながら子を探し歩き、ついにその木を見つけて割り開き、命を引き出して再び蘇らせました。

そして言いました。

「お前がここにいては、いずれ八十神に殺されてしまう。木の国の大屋毘古神(おおやびこのかみ)のもとへ逃げなさい。」

木の国(紀伊国、現在の和歌山県全域と三重県南部)に逃れた大国主命でしたが、そこにも八十神たちが追ってきて矢を射かけました。

命は木の股をくぐって必死に逃げ延びました。

母はさらに言いました。

「須佐之男命のおられる根之堅洲国(ねのかたすくに)へ行きなさい。きっと良い知恵を授けてくださるでしょう。」

こうして大国主命は、母の導きによって須佐之男命のもとへ向かうことになったのです。