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古事記現代語訳

古事記現代語訳(3)伊邪那岐命と伊邪那美命の「神生み」

伊邪那岐命・伊邪那美命のお二人は、島々を生み終えると、さらに多くの神々をお生みになりました。

まず大事忍男神(おおごとおしをのかみ)をはじめとする神々を次々に生み、海の神・大綿津見神(おおわたつみのかみ)、河や水分の神々、風の神・志那都比古神(しなつひこのかみ)、木の神・久々能智神(くくのちのかみ)、山の神・大山津見神(おおやまつみのかみ)、野の神・野椎神(のづちのかみ)など、自然を司る神々が次々と誕生しました。

さらに、食物をつかさどる大宜都比売神(おおげつひめのかみ)、そして最後に火之迦具土神(ほのかぐつちのかみ)をお生みになりました。

静岡県浜松市の秋葉神社は、火の神、火之迦具土神を祀り、全国約400社の秋葉神社の総本宮です。防火や鎮火の神様とされています。

ところが、この火の神をお生みになったとき、伊邪那美命はその身を焼かれて深く傷つき、ついに病に伏して命を落とされました。

伊邪那岐命は嘆き、
「ああ、最愛の妻よ、たった一柱の子のために、お前を失ってしまうとは……」
と慟哭されました。涙は流れて神と化し、その悲しみは天地に満ちました。

涙で出現した神は、香具山の麓の小高い所の木の下においでになる泣澤女神(なきさわめのかみ)です。

伊邪那美命は、出雲の国と伯耆の国との境にある比婆之山に葬られました。

悲嘆に暮れた伊邪那岐命は、怒りを込めて天之尾羽張(あめのおはばり)という名の十拳剣(とつかのつるぎ)を抜き、火之迦具土神を一太刀に斬り伏せられました。

その血や身体からも新たな神々が生まれ出ましたが、それでもなお悲しみは癒えません。

どうしても妻に再び会いたいと願った伊邪那岐命は、ついに意を決して、死者の国――暗黒の黄泉(よみ)の国へと後を追われたのです。